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           ●つまり、プロの芸術家の卵を育て上げることが第一義ではないということなのですね。 
               
              要するに「芸術家製造工場」ではない。「人間養成工場」なんですね。チャレンジしなさいと言うのは、そのことで自分をわくわくさせなさいという意味です。元気のいいやつがものをつくるということが原点なんですよ。つくりたいという欲求をたくさんもっている人が、世の中をどんどん変えていくわけですから。 
               
               
              ●今回、いわば「人間養成工場」の社長に就任したわけですね。教職員と学生を束ねてどのような意気込みで前に進んでいくのでしょうか? 
               
              社長とは違うんです。主役は学生なんですよ。僕じゃない。あくまでも僕は、学生に対する一番の奉仕者です。常に何が大事なのかということをを見て歩く警備員みたいなものです。 
               
              ●学長の仕事に忙しく、絵を描く時間が不足しませんか? 
               
              僕は絵を通して人生を考えます。だからこそ学長職を引き受けました。いま学長になって、かなり時間を取られていますけど、絵は前より厳しく描かなくてはならない。時間はとられていても必ず制作の時間をつくります。両輪で、がーっと進んでいく。絵が小さくなったら俺じゃなくなるんだよ。前進しなくなる。学長の仕事も絵を描くのも、どちらも半端ではいけないですからね。ものすごい数の生徒を預かっているわけですから、中途半端になってはいけない。 | 
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