本誌前号でも報道されているように、愛知万博が現在盛況裡に開催中である。来場者は増加の一途と新聞は伝えている。また、同じく前号では九月に万博会場内で併催される「世界のsho・日本の書」展の展示作品の一部が紹介されている。漢字文化圏にある東アジアで開かれる万博にふさわしい好個の企画。関係者の尽力になによりも感謝したい。
私も梅雨時の七月初めに万博会場を訪れた。書や文字がどのように扱われ、遇されているのか見て回ることが目的であった。一日だけの駆け足取材。見落としたパビリオンの数のほうがもちろんはるかに多い。限定付きの報告であることをあらかじめお断りしておきたい。
私は前夜、豊田市内のホテルに泊り、翌朝早起きして七時四十分ごろには北ゲート前の広場に着いたのであるが、開門は九時なのにすでに千人は優に超える人たちが並んでいて、過熱ぶりに改めてびっくりした。開門と同時に、人気集中のトヨタグループ館とか日立グループ館、三井・東芝館のある企業ゾーンに向かう人たちが圧倒的に多い。幸いにもグローバル・ハウスに向かう人は意外に少なく、整理券が難なくもらえてすぐに入場できた。
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