|
上村作品は今も変わらず自分にとって、とても大きな影響を与えてくれる。スポンジが水を吸収するかのように、物語の1コマ1コマが自らの血や肉となって心根に染み入ってゆき、自分を成長させてくれるのがわかる。だからこそ上村作品は自分にとっての宝物であり、1冊1冊探し集めたそのコレクションは今では100 冊近くになる。けれど、その中にはまだ読んでいないものもある。なぜなら、それは自分が創り手としてこの先なにか壁にぶつかった時、悩んだ時、そしてこの先を照らす明かりが欲しい時、そういう時にこそ読もうと大事にとってあるからなのだ。
きっとその時、上村作品はまた新しい感動と刺激を僕に与えてくれるに違いない。
(2008.03.17 おおもり・あきお/彫刻家) |
|