北川:アトリエには一日12〜14時間とか。けっこうだらだらいるタイプかも。その中で本当に集中しているのは2、3時間ぐらいかな。まわりの時間を使ってその2、3時間のモチベーションを高めていくって感じかな。肝心な部分を頭が冴えていない時に触ったりすると、結局やり直すはめになったりするから。
粘土は長く置いておくと、水を打ってもどうしても柔らかさのバランスにむらができてくるんです。作品の大きさにもよりますけど。常に粘土の各部分の固さを頭に入れてコントロールしつつ、ある時点で一気に作るほうがいいんです。
大森:やっぱり集中している時は気持ちいいですよね。
北川:うん、勝手に時間が経っているね。
大森:僕がアトリエにいる時間は日によってさまざまなんですけど、確かに集中している時は、あまり覚えてないというか。本当に集中している時って、案外ぜんぜん関係ないこと考えていたりして、で気づくとだいぶ進んでるな、みたいな。本当にある一定期間すぱーんと記憶が抜けているようなのが、本当に気持ちいいですよね。朝から規則正しい生活をしたいんですけど、なかなか…。
北川:なかなか難しいです、それは。
大森:夜型ですか?
北川:いや。だいたい夜12時くらいまで。眠くなるとアトリエのソファーで昼寝とかしますし。展覧会前なんかだと、昼寝なんてそんな悠長なことしてられないんですけどね。1ヶ月前とかになるともう……。
大森:あぁ。まったく。この間、生まれて初めて帯状疱疹ができましたよ。でも変な話、その時の充実感はすごくて、身体が悲鳴上げるまで出来るというのは、やっぱりこの仕事が合っているんだなと思いますね。
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