最近、全国主要紙が相次いで取り上げるなど、いわゆる「インテリア書」への注目度が高まっている。個人が自宅などの身近な室内空間に掛けて愉しむ書をいう。これまでのインテリア書というと、図式的にいえばカリグラフィ系や商業書道家系からのアプローチが多かったように見受けるが、近年は本道を歩む一流書家、新進書家の参加が目だつ。インテリア書が新しい段階を迎えていることを示しているといってよい。
書家の協力を得た新展開の口火を切り、共感の輪を大きく広げているのが植野文隆氏がオーナーをつとめる「Carre MOJI〈キャレモジ〉」(東京・南青山)。四年ほど前に始めたショップ兼ギャラリーだ。初歩から指導する教室も開いていて好評だ。
昨年末にはアシェット婦人画報社から、実際にキャレモジ作品が置かれた空間を収録した写真集『Carre MOJI インテリアにしたくなる書』(植野氏と書家・清水恵さんとの共著)を出版。また、展示会の開催に意欲的に取り組んできたが、新春一月の東京世田谷・玉川高島屋での発表も多くの来場者が訪れ盛況だった。
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