大仏さんで有名な、奈良・東大寺で知人の製茶場の主人から、観光客にお茶を売るという話が出てきた。 茶の封筒に東京のデザイナーがデザインをするため、大仏さんと絵と鹿の印を彫ってくれという。 案を何種類か提出したら、大仏さんの絵もこの鹿の印も、すべてボツになってしまった。 決まったのは、ただ普通の活字の文字だけで、飾り物はすべてダメだった。 かわいそうだが、この印も人目に触れないうちに消えることとなった。 歴史に残るかな……と思ったのだが、世の中、そうは甘くなかった。