展覧会案内大正イマジュリィの世界 デザインとイラストレーションの青春 1900s-1930s
大正イマジュリィの世界
デザインとイラストレーションの青春 1900s-1930s
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SOMPO美術館
東京都新宿区西新宿1-26-1tel.050-5541-8600(ハローダイヤル)
2025年7月12日(土)〜2025年8月31日(日)
※月曜休館。ただし7/21・8/11は開館、7/22(火)・8/12(火)休館
10:00〜18:00
※金曜は20:00まで
※いずれも入館は閉館の30分前まで
観覧料(当日):一般(26歳以上)1,500円 25歳以下1,100円 小中高校生無料 障がい者手帳をお持ちの方無料
※前売り等あり
※25歳以下の方は生年月日が確認できるものを要提示(年齢は入場時)
※障がい者手帳の対象は、身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳・被爆者健康手帳の4種。被爆者健康手帳は本人のみ、他3種は介助者1名まで無料。入場時に手帳を要提示(ミライロID可)
※会期中、きもので来館された方は一般当日券を100円引きで購入可能。当日券購入時に美術館窓口へ。割引適用は当日券のみ、きもの着用の本人のみ有効。他の割引との併用不可
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現代日本の大衆文化の源流は、明治末期から昭和初期までの先端メディアであった印刷物の中に見出すことができる。なかでも印刷技術の革新が進んだ大正時代(1912-1926)は出版界が興隆し、西洋の芸術やアール・ヌーヴォー、アール・デコの様式と日本の伝統を融合させた独特な美意識のデザインやイラストレーションが生み出された。
大正時代は、明治時代の立身出世主義と昭和中期の戦時統制のあいだにあって、個人の内面に関心が向き、感性や感情が表現された。いま私たちが享受しているロマンティックな恋愛観、江戸と京都の日本情緒、魅力的なイラストレーション、都会的なデザインなどは、この時代に生み出されたものだ。国際的にも認知された日本の独特な大衆文化のルーツを発見することができる。
そして、テレビもインターネットもなかった時代の庶民にとって、印刷物はほぼ唯一の視覚的な情報源であり、お気に入りの挿絵はくりかえし眺める宝物だった。当時の印刷には江戸期以来の多色刷木版の技術や、石版も用いられている。
本展では、文学と美術、音楽などが混じりあう近代の書物と刷物を愛した山田俊幸氏の収集品から大正時代を中心とする約330点を選び紹介する。大衆に忘れがたい記憶を残した儚く膨大なイメージ群―大正イマジュリィの世界を、藤島武二、杉浦非水、竹久夢二、高畠華宵、蕗谷虹児、古賀春江などといった普段はまとめて展示することの難しい作家たちと、時代を映すさまざまな意匠を切り口に掘り下げる。
【大正イマジュリィとは】
イマジュリィとはフランス語で、ある時代やジャンルに特徴的なイメージ群のこと。1900-30年代の日本には西洋から新しい複製技術が次々に到来し、雑誌や絵葉書、ポスター、写真などに新鮮で魅力的なイメージがあふれた。当時の活気に注目した研究者はこれらの大衆的複製物を「大正イマジュリィ」と総称し、2004年に学会を結成した。
【監修者 山田俊幸氏(1947-2024)】
近代文学から出版文化に興味を広げ収集・研究。大正イマジュリィ学会の創立会員・役員を務め、自身の収集品を核に2010年「大正イマジュリィの世界」展(渋谷区立松濤美術館)を開催。同展はその後も巡回。元・帝塚山学院大学教授、日本絵葉書会会長等。山田氏は本展を準備中の昨年秋に残念ながら急逝した。