展覧会案内佐伯祐三 自画像としての風景

佐伯祐三 自画像としての風景


佐伯祐三 《立てる自画像》 1924年 大阪中之島美術館




東京ステーションギャラリー

東京都千代田区丸の内1-9-1
お問合せ 03-3212-2485
2023年1月21日(土)〜2023年4月2日(日)
※会期中一部展示替えあり
※月曜休館。但し3/27は開館
10:00~18:00
※金曜は20:00まで
※いずれも入館は閉館の30分前まで
入館料(当日):一般1,400円 高校・大学生1,200円 中学生以下無料
*障がい者手帳等持参の場合100円引き(介添者1名は無料)
*学生は入館時、生徒手帳・学生証を提示
チケット販売中(日時指定券)

展覧会公式サイト:
https://saeki2023.jp/index.html

→ チケットプレゼント

大阪、東京、パリ。3つの街で、画家としての短い生涯を燃焼し尽くした画家、佐伯祐三(1898-1928)。2023年に生誕125年を迎える佐伯の生涯は、多くのドラマと伝説に彩られている。彼が生み出した作品群は、今なお強い輝きを放ち、見る人の心を揺さぶらずにはおきない。

1898年に大阪で生まれた佐伯祐三は、25歳で東京美術学校を卒業し、その年のうちにパリに向かった。作品を見せたフォーヴィスムの画家ヴラマンクから、「このアカデミック!」と怒声を浴びたことが佐伯を覚醒させた。2年間の最初のパリ滞在中にユトリロやゴッホらからも影響を受け、佐伯の作品は大きな変貌を遂げていく。

1年半の一時帰国を経て、再渡欧したのは1927年のこと。このとき佐伯は29歳になっていた。パリに戻った佐伯は、何かに憑かれたかのように猛烈な勢いで制作を続けるが、結核が悪化して精神的にも追い詰められ、1年後、パリ郊外の病院で亡くなった。

佐伯にとってパリは特別な街だった。重厚な石造りの街並み、ポスターが貼られた建物の壁、プラタナスの並木道、カフェ、教会、さらには公衆便所までが、傑作を生み出す契機となった。また、多くの画家たちや作品と出会い、強い刺激を受けたのもパリでのことだ。一方で、生誕の地・大阪、学生時代と一時帰国時代を過ごした東京も、佐伯芸術を育んだ重要な街だった。

本展には、日本最大級の質と量を誇る大阪中之島美術館の佐伯祐三コレクションを中心に、画家の代表作が一堂に集結。展覧会初出品となる作品も出展される。

私たちは、佐伯の絵画に向き合う時、風景に対峙する画家の眼、筆を走らせる画家の身体を強く想起させられる。そして、描かれた街並みの中に、画家の内面や深い精神性を感じ取る。それゆえその作品はしばしば、画家自身を映したもの—自画像にたとえられている。

「東京」「大阪」「パリ」の3つの街での佐伯の足跡を追いながら、画家が自らの表現を獲得する過程に迫る。


【大阪展】大阪中之島美術館 https://nakka-art.jp
     2023年4月15日〜2023年6月25日