展覧会案内内藤礼 生まれておいで 生きておいで
内藤礼 生まれておいで 生きておいで
「内藤礼:すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している 2022」
2022 年、神奈川県立近代美術館 葉山
《母型》2022[2009]年 水、ガラス瓶 撮影:畠山直哉
東京国立博物館
東京都台東区上野公園13-9tel.050-5541-8600(ハローダイヤル)
2024年6月25日(火)~2024年9月23日(月・休)
※月曜・7/16(火)・8/13(火)・9/17(火)休館。ただし、7/15・8/12・9/16・9/23は開館
9:30〜17:00
※入館は閉館の30分前まで
観覧料:一般1,500円(1,400円) 大学生1,000円(800円)※前売りあり、( )内は前売料金
※前売り券は4/11(木)~6/24(月)まで、オンラインチケット等で販売
※事前予約不要。ただし混雑時は入場を持つ可能性あり
※高校生以下、障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に学生証、障がい者手帳などを提示
※東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生は、当日券500円(500円割引)。正門チケット売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証を提示
※本展チケットで、当日に限り、総合文化展も観覧可能
※荒天の場合、一部会場が閉場となる場合あり
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太陽が形づくる光と影、地が生成する水や石、大気が織りなす風や雨。美術家・内藤礼は、私たちの傍らにある自然の諸要素と日常のささやかな事物を受け止めることで、私たちが日々見過ごしがちな世界の片隅に宿る情景、知覚しがたい密やかな現象を見つめ、「根源的な生の光景」を出現させてきた。精緻に構想されるその作品の世界は、その場を訪れる人をそれぞれの沈潜にいざなう。
本展は、150年の歴史を持つ東京国立博物館の収蔵品、その建築空間と内藤との出会いから始まった。1万数千年という時を超え、内藤は縄文時代の土製品に自らの創造と重なる人間のこころを見出した。それは、自然・命への畏れと祈りから生まれたものであり、作家はそこに「生の内と外を貫く慈悲」を感じたという。生の求めに迫られてつくりだされた一つ一つの土製品は、人間本来の姿を私たちに伝えるようだ。
平成館企画展示室、本館特別5室、本館1階ラウンジと、3ヶ所の会場で展観される本展。本館特別5室では、「地上の生の光景」を希求する作家により、長年閉ざされていた大開口の鎧戸が開放される。また、場の本来の姿が顕れるようにと、カーペットと仮設壁が取り払われた展示室は、建築当初の裸の空間として立ち現れ、その空間を自然光が満たす。訪れる日の天気や時間帯により刻々と変化する光の中で、作家が見つめた空間と作品の間に、静かに、変容を繰り返しながら起こる人と自然、生と死、内と外の交感を楽しむことができる。
色彩に生を、風景に物語を、光に祈りを見出す内藤の作品は、縷々として尽きることなく私たちの世界を満たしてきた、遥か遠い時代から続く創造の営みを想起させる。そこには、人間が繰り返してきた「つくる」ということ、今につながる「生きる」ということへの希求が垣間見られる。時空を超えた交感がなされる会場は、空間よりも広く、時間よりも深く、目には見えない存在、耳では聞こえない声の確かさを感じ取る契機となることだろう。本展の体験を通して、原始この地上で生きた人々と、現代を生きる私たちに通ずる精神世界、創造の力を感じて欲しい。
■本展はエルメス財団と共同で企画。展覧会は以下の同作家個展へと続き、再び東京国立博物館へと続く構成となっている。
「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」
会期 2024年9月7日(土)~2025年1月13日(月・祝)
会場 銀座メゾンエルメス フォーラム