• 連載
  • 展覧会案内
  • 美術家検索

展覧会案内移転開館5周年記念 ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―

移転開館5周年記念

ルーシー・リー展

―東西をつなぐ優美のうつわ―


移転開館5周年記念
ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―
チラシ



国立工芸館

石川県金沢市出羽町3-2
tel.050-5541-8600(ハローダイヤル)
2025年9月9日(火)〜2025年11月24日(月・休)
※月曜休館。ただし10/13・11/3・24は開館し、10/14・11/4休館
9:30~17:30
※入館は閉館の30分前まで
観覧料:一般1,200円 大学生800円 高校生500円
※団体割引あり
※中学生以下、障害者手帳を提示の方とその付添者(1名)は無料
※いしかわ文化の日(10/19)および文化の日(11/3)は割引料金
※3展覧会相互割引「北斎・広重 大浮世絵展」(石川県立美術館)、「ミニチュアドールハウスの世界展」(金沢21世紀美術館)の半券を提示の方は割引料金

展覧会公式ページ:
https://www.momat.go.jp/craft-museum/exhibitions/564

金沢にある国立工芸館で、「移転開館5周年記念 ルーシー・リー展—東西をつなぐ優美のうつわ—」が開催中だ。本展は、20世紀を代表するイギリスの陶芸家ルーシー・リー(1902-1995)の作品を、2023年に国立工芸館へ寄託された井内コレクションを中心に紹介する。

1989年に三宅一生を通じて日本で大きく紹介されて以来、リーの作品は着実に日本でのファンを増やしている。2010年、2015年の大規模展を経て10年ぶりの回顧展となる本展では、そのような日本における受容に着目しながら、交流のあった作家たちや、東洋のやきものなど、彼女に影響を与えた「つながり」を丁寧に見つめ直す構成だ。

会場には、リーの制作初期から円熟期までを網羅する作品群に加え、バーナード・リーチやハンス・コパー、濱田庄司など、深く関わりのあった作家たちの作品も並ぶ。その中でもコパーの作品に注目したい。重厚であることをよしとした当時のイギリスの陶芸界において、リーの作品は「薄い」と批評された。だが、同じくすっきりとした端正な造形を追求したコパーと共に仕事を重ねることで、リーは自らの表現に立ち返り、強い心の支えとしていたことがうかがえる。

展示内容のみならず照明にも力が入れられており、絶妙なバランスで佇む作品は、光の力を借りて、より一層凜とした心地よい緊張感を纏っている。工芸の街金沢の魅力と共に味わいたい展覧会だ。