展覧会案内空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン
空想旅行案内人
ジャン=ミッシェル・フォロン
《月世界旅行》1981年
フォロン財団
©Fondation Folon, ADAGP/PARIS, 2024-2025
東京ステーションギャラリー
東京都千代田区丸の内1-9-1お問合せ 03-3212-2485
2024年7月13日(土)〜2024年9月23日(月)
※月曜休館、但し7/15、8/12、9/16、9/23は開館。7/16(火)休館
10:00~18:00
※金曜は20:00まで
※いずれも入館は閉館の30分前まで
入館料(当日):一般1,500円 高校・大学生1,300円 中学生以下無料※前売りあり(オンラインチケットで販売)
*障がい者手帳等持参の場合200円引き(介添者1名は無料)
*学生は入館時、生徒手帳・学生証を提示
展覧会紹介ページ:
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202407_folon.html
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ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon, 1934-2005)は、20世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとり。若き日に偶然出会ったマグリットの壁画に感銘を受け、絵画世界に惹きつけられたフォロンは、1955年に移住したパリ近郊でドローイングを描く日々を送る。フランスではなかなか芽が出なかったが、アメリカの『ザ・ニューヨーカー』『タイム』などの有力誌で注目され、1960年代初頭にはそれらの表紙を飾るようになった。その後、各国で高く評価され、世界中の美術館で個展が開催されるなど目覚ましい活躍をみせた。
フォロン作品の大きな魅力は、その美しい色彩にある。しかし1点の作品に使われる色数は決して多くはない。限られた色彩を巧みに組み合わせ、グラデーションや滲みなどを駆使することで、奇跡のような美しい世界が創造されている。また、彼の描く線は伸びやかで躍動しているのだが、まるでそこに引かれることをあらかじめ決められていたかのように的確で、迷いが少しも感じられない。それは、プロとしてデビューする前に、ひたすらドローイングに打ち込んでいたからであろう。
フォロン作品は親しみやすく、爽やかでユーモラス。そして色彩豊かで詩情あふれており、ついその世界に引き込まれてしまう。しかしやさしい微笑みの裏には、環境破壊や人権問題など厳しい現実への告発が隠れていると同時に、孤独や不安の感情が通奏低音のように流れている。
本展は初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品まで約230点を紹介する、日本で30年ぶりの大回顧展。デジタル化やパンデミック、戦争など、社会的に大きな曲がり角にある現代、環境や自由への高い意識をもち、抑圧や暴力、差別などに静かな抗議を続けてきたフォロンの芸術を、いま、あらためて見直そう。
※本展は、名古屋市美術館(2025年1月11日~3月23日)、あべのハルカス美術館(大阪)(2025年4月5日~6月22日)に巡回予定。
※約30年ぶりに日本で大規模な展覧会が開かれることを機に、フォロンに関する、2冊の書籍が出版される。『フォロンを追いかけて Book1』(6月中旬より随時発売)/『フォロンを追いかけて Book2』(7月中旬より随時発売)。いずれも、ジャン=ミッシェル・フォロン(著・イラスト・絵)・柴原聡子(編)・ブルーシープ刊