展覧会案内 「買上展」藝大コレクション展2023

「買上展」
藝大コレクション展2023


横山大観 《村童観猿翁》
1893年 東京藝術大学蔵



東京藝術大学大学美術館

東京都台東区上野公園12-8
tel.050-5541-8600(ハローダイヤル)
2023年3月31日(金)〜2023年5月7日(日)
※月曜休館。ただし、5/1(月)は開館
10:00~17:00
※入館は閉館の30分前まで
観覧料(当日):一般1,200円 大学生500円 
        高校生以下及び18歳未満は無料
※障がい者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料

東京藝術大学大学美術館 公式サイト: https://museum.geidai.ac.jp

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「買上」とは、東京藝術大学が卒業および修了制作の中から各科ごとに特に優秀な作品を選定し、大学が買い上げてきた制度。遡って、前身である東京美術学校でも卒業制作を買い上げて収蔵する制度があった。現在では東京藝術大学が所蔵する「学生制作品」は1万件を超えるが、本展ではその中から約100件を厳選し、東京美術学校時代から今日にいたる日本の美術教育の歩みを振り返る。

巨匠たちの代表作のひとつが実は卒業制作である、ということはあまり知られていない。たとえば横山大観の《村童観猿翁》は、回顧展では必ず出品されるし、和田英作の《渡頭の夕暮》や高村光太郎の《獅子吼》も彼らのデビュー作にして代表作ということもできる。

学生たちは、卒業制作(修了制作)に持てる力の全てを注ぎ、その中から毎年、特に優秀な作品を選んで大学が買い上げ、収蔵してきた歴史の積み重ねは、その時代その時代を見直す最良のコレクションといえる。最先端を生きた若き芸術家たちが何を求めて制作したのか、選りすぐりの買上作品が雄弁に語ってくれる。

本展は、歴史とともに変化を遂げてきた買上作品を通じて、日本における近現代美術史が生まれてきた場を振り返る企画となる。また、東京藝術大学における買上制度の意義を見直し、今後を見据えるための試みでもある。買上作品の存在は、残念ながら学外にはほとんど知られてない。本展は、「保管及び展示等を通して教育研究に資するため」(作品買上基準)と規定され国の公共美術教育機関が買い上げてきた作品がその時代の最先端を示して来たことをひろく紹介する点において、また全科を俯瞰する壮大な規模という点において、これまでにないコレクション展となる。


■出展作家
【第1部】
横山大観 児島虎次郎 萬鉄五郎 下村観山 和田三造 高村豊周 板谷波山 橋口五葉 金観鎬 白浜徴 山本鼎 吉村忠夫 菱田春草 南薫造 松田権六 西郷孤月 朝倉文夫 伊原宇三郎 和田英作 小村雪岱 山口蓬春 小林万吾 富本憲吉 吉田五十八 北蓮蔵 岡本一平 山本丘人 平福百穂 近藤浩一路 山崎覚太郎 津田信夫 藤田嗣治 東山魁夷 石田英一 建畠大夢 小磯良平 中沢弘光 小絲源太郎 牛島憲之 赤松麟作 李叔同 吉村順三 高村光太郎 中村岳陵 高山辰雄 松岡映丘 広島新太郎 六角大壌 青木繁 北村西望 平山郁夫 熊谷守一 今和次郎

【第2部】
[日本画]松本俊喬 細野三千子 梅原幸雄 河嶋淳司 村岡貴美男[油画]櫃田伸也 大西博 上村豊 山田彩加[彫刻]山口信子 石澤ミヨ 日髙頼子 水谷たき 鷲崎直子[工芸]仲山進作 丸山智巳 小牧ゆり 荒井由美 小林寿江 小林茉莉[デザイン]横川昇二 田中一雄 タナカノリユキ 橋本和幸 岩瀬夏緒里[建築]奥村昭雄 吉田桂二 堀内正弘 市川創太 横須賀洋平 長田美波[先端芸術表現]荒神明香 鎌田友介 牟禮まり子 岡ともみ[美術教育]屋宜久美子 髙須咲恵 大小田万侑子 藤澤穂奈美[文化財保存学]山崎隆之 松永忠興 林功 富澤千砂子[グローバルアートプラクティス]リリアン・キャンライト 坂田ゆかり シクステ・パルク・カキンダ 山口諒[作曲]網守将平 中橋祐紀 小野田健太 田中弘基[メディア映像]越田乃梨子